この記事は夫婦で借金300万円を任意整理した体験談を元に、任意整理の流れや費用について書いています。
任意整理をした方がいいのかもしれないと思っていても不安な気持ちでいっぱいですよね?
その気持ちはとてもわかります。私も任意整理を決意するまでは、インターネット検索を繰り返し、毎日毎日悩んでいました。
任意整理の相談に行くのが怖くて、目をそらしたくなる気持ちはよくわかるのですが、借金問題を放置しておいても絶対に解決することはありません。
日々、利息が膨らみ続け、どんどん苦しくなるだけです。
でも、安心してください。
この記事では、わたし自身の任意整理の体験談を交えつつ、任意整理の流れや費用などの基礎知識を細かく解説しているので、任意整理に関する漠然とした不安がなくなります。
この記事の具体的内容を先に書いておきますね。
- 弁護士事務所の選び方
- 任意整理の相談で必要なもの
- 実際の任意整理の相談の雰囲気や流れ
- 弁護士費用の内訳や支払い方法
- 任意整理をして借金の金額や返済期間はどうなったのか
この記事を読めば、任意整理の実際の流れや費用などが全てわかり、行動する一歩を踏み出す勇気が出てきます。
過去のわたしのように借金に苦しんでいるあなたにぜひ読んでほしい内容です。
長いですが、最後までお付き合いお願いします。
>>弁護士へ相談する前にまずは借金減額診断をしてみるのもオススメです
弁護士事務所へ相談に行く前にすること
弁護士に相談して借金問題を解決する決意ができたら、まずは弁護士事務所を探しましょう。
信頼できる知り合いに紹介してもらえる場合は、それが安心できます。わたし自身も知り合いに紹介してもらった弁護士事務所で任意整理をしました。
弁護士事務所の選び方としては、評判の良さも大事ですが、立地も同じくらい大切です。
職場の人、近所の人、子供の同級生の親などに弁護士事務所への出入りを目撃されたくないですよね。

家から少し離れた場所や駐車場が目立たない場所、コインパーキングが近くにある場所などがおすすめです。
任意整理の相談では、弁護士事務所へ訪問する回数は少ないです。
私の場合は、初回と債権者との和解後の2回だけで、あとは電話や郵便でのやりとりでした。
そのため家から遠いから通うのが大変という心配よりも、知り合いに目撃される危険性を優先した方がいいです。
どの弁護士事務所を選べばいいか決めきれない場合は、インターネット上で借金減額診断を利用して、そのまま正式依頼をするという方法もあります。
今のご時世もあって、オンライン相談を受け付けている弁護士事務所も多いです。オンライン相談なら、知り合いに目撃される危険性はありません。
また、初めての弁護士相談が不安だという方のために、女性専用窓口を設けている事務所もあります
予約の電話をする
弁護士事務所を決めたら、まずは予約の電話をしましょう。
予約の電話の際、簡単な相談内容を聞かれます。「借金に困っている。借金の相談をしたい。」という旨をまずは伝えましょう。
その際、借金の簡単な内訳などを確認されることが多いので、事前に把握しておくと慌てなくて済みます。
ざっくりと「〇〇社から〇〇万円、△△社から△△万円」などと答えられたら十分です。社名と金額が分かるだけで、弁護士事務所側もだいたい検討をつけることができます。
予約の際に必ず確認しておくべきことは以下の2点です。
- 相談の当日に持参するもの
- 初回の相談料
初回の相談料は、借金の相談は無料の場合が多いですが、念のため確認しておきましょう。
相談当日に持参するものを準備する
予約が完了したら、当日までに持参するものを準備しておきましょう。
持参するものは弁護士事務所によって違いがあると思いますが、私の場合は以下3点のみでした。
- 書類(契約書類・取引明細・振込明細)
- 身分証明
- 印鑑
わたしの場合、元夫がきちんと書類の管理をしていなかったため、契約書類などがないものもありました。
しかし、契約書類がなくても社名とだいたいの金額が分かれば問題なかったです。探せる範囲で探して準備しておきましょう。
任意整理の相談の流れや雰囲気
任意整理の相談のざっくりとした流れはこちら。
- 相談票に記入する
- 借金の理由を聞かれる
- 現在の家計状況を聞かれる
- 希望の債務整理について聞かれる
- どの借金を債務整理するか決める
- 家計の立て直しと返済計画を立てる
- 弁護士費用についての説明を聞く
- 委任状に署名、捺印をする
わたしは、「債務整理をしたいです」と弁護士に伝えると、すんなりと債務整理の手続きが始まるのかと思っていました。
しかし、実際はかなり事細かく借金の理由や家計状況などを聞かれました。

今になって思えば、それくらい事細かく聞き取りをしてもらえたおかげで、しっかり借金と向き合うことが出来ました。感謝しています!
相談票に記入する
相談日当日、弁護士事務所に到着すると、まずは「相談票」というものを記入します。
相談票に記入する内容は、個人情報(氏名、住所、連絡先、勤務先、年収など)と借金の内訳です。
わたしたちが実際に記入した内容はこちら。
- 地方銀行フリーローン:100万円
- オリコ:66万円
- アイフル:75万円
- プロミス:8万円
- レイク:59万円
合計:308万円
記入する金額はざっくりとした金額で問題ありません。
その後、記入した相談票と、持参した借金の契約書類などを提出してしばらく待ちました。
借金の理由を聞かれる
その後、弁護士と対面し借金相談が始まります。まず最初に、借金をした理由について聞かれました。
元夫は「遊ぶお金に使いました」とシンプルな回答をしたのですが、「遊びとは具体的な内容は?頻度は?」と、どんどん掘り下げられていきます。
「1回の飲み代に〇〇円かかって、それが週3、1年間続けたとしてもこんな金額にならないよね?」と言った感じで、矛盾点を指摘されます。

借金をした理由だけでなく、それらに対する今後の対応策も考えてから債務整理を行わないと、また同じことを繰り返してしまいます。
本当に弁護士の言う通り。
借金の内容を細かく聞かれることはストレスを感じます。でも、きちんと借金と向き合うためにここに来たのだから、しっかりと本当のことを伝えて下さい。
このタイミングで借金と向き合わなければ人生を変える機会を失ってしまいます。
現在の家計状況を聞かれる
借金の理由とあわせて、現在の家計状況についても確認されます。

ご主人の年収が350万円、奥様が350万円。合計700万円の年収があって、お子さんが小学生1人。この状況で300万円もの借金を抱えるのは、ちょっと考えにくいんですが。
世帯年収、家族構成、借金額、借金の期間などからなぜ借金をすることになったのかを聞かれました。
家賃より安い住宅ローン。フルタイム共働き。子供1人。普通に生活していたら借金なんて無縁ですよね。
わたしたちの場合は元夫の隠し借金で、わたしの知らない間に膨れ上がったものだったので、その旨を伝えました。

実は、夫がわたしに内緒で借りていたお金で…。月7万円もの借金返済をしていることが発覚して、返せないなと思って相談にきました。
その後、収入や固定費など我が家の家計状況を簡単に説明しました。家計管理に無頓着だった元夫は、終始無言。
希望の債務整理について聞かれる
債務整理には以下の3種類があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
3種類の違いは債務整理の相談に行った際に、弁護士が丁寧に説明をしてくれます。
こちらの記事で債務整理の種類やメリット、デメリットを分かりやすくまとめています!
>>【債務整理とは?】メリット・デメリットを徹底解説!借金生活に終止符を!
わたしたちは「任意整理をする」と決めていたので、その意思を伝えました。
そして、任意整理のメリット・デメリットについて説明を受けました。
- 数年間、新たな借り入れはできない
- 数年間、クレジットカードを作れない
- 弁護士が交渉することで利息をカットをしたり、月々の返済額を減らせる
大きなところは、このあたりです。
この時に、どの債務整理にするのかすぐに決める必要はありません。家に持ち帰ってじっくり考えてもいいですし、他の弁護士事務所にも相談に行ってみてください。

借金問題を放置するのはだめですが、相談をした上でどうするのが良いのか、じっくり考える時間はとても大切です。
どの借金を債務整理するか決める
任意整理は「整理する借金を選べる」というメリットがあります。
任意整理をしてしまうと、対象のクレジットカードは使えなくなりますし、銀行からの借り入れの場合は口座の凍結をされることもあります。
そうなると困る借金は、任意整理の対象から外すことが可能なのです。
そこで、どの借金を任意整理の対象にするかを弁護士と相談しながら決めていきます。
我が家の場合、どうにかしたいと強く思っていた借金は、地方銀行からのフリーローンでした。
地方銀行のフリーローンの金利は消費者金融よりは低いとは言え、月の返済額15,000円のうち、12,000円は利息でした。
このローンをとにかく早くすっきりさせてしまいたいと思っていました。しかし…

住宅ローンの借り入れをしている地方銀行ですか・・・それだと任意整理をすることはできませんね。
家のローンの返済は一度たりとも滞ったことはないですし、「住宅ローンとフリーローンは別物」という認識だったわたしには衝撃的な事実。このローンを任意整理できないことが一番の痛手でした。
前向きに捉えれば、任意整理をしてもマイホームを手放さなくても良いということです。そのため、「整理する借金を選べる」というのは、とても大きなメリットなのです。
元夫の借金5社のうち、1社はわたしが連帯保証人になっていました。
任意整理は、「整理する借金を選べる」ので、わたしが連帯保証人になっている借金は対象外にすることもできます。しかし、地方銀行フリーローンが任意整理できなかったため、わたしが連帯保証人になっている借金は、任意整理の対象にすることにしました。(そうしないと毎月の返済が困難だったため)
元夫が任意整理をすると、その借金は全て連帯保証人であるわたしに返済義務が生じます。なので、わたしも任意整理をするしかなくなりました。こうして、わたしたちは夫婦でブラックリスト入りをしました。
弁護士と一緒に家計の立て直しと返済計画を立てる
各社の借金内容を確認したあとは、任意整理をするもの、しないものを確認し、今後の返済計画を立てました。

後日、直近3ヵ月の家計簿のコピーを事務所に送ってもらえますか?節約できそうなところを一緒に考えてみましょう。
「任意整理の手続きをしたら、はい終わり。」ではなく、きちんと家計管理についても一緒に考えてもらえるというのは、とてもありがたいです。
そして、弁護士事務所へ積立をしていく仕組みについての説明を受けました。

債権者との和解が成立するまでは、債権者への支払いが止まります。
その間は、弁護士事務所に毎月積み立てをしてもらいます。
その積み立てから弁護士費用を差し引いて、余剰分は、和解成立後に債権者への支払いにあてます。

毎月の積立を確実に行えるということが確認できると、債権者との交渉の際、「この人は毎月きちんと積み立てをしているのを確認しているので、今後もしっかり返済できますよ。」という交渉の材料になります。
弁護士事務所への積み立ての期間は何か月とは決められていません。しっかり家計の見直しができて、しっかり返済できる能力があることを確認できたと判断したら、弁護士事務所への積立卒業。
その後は、自分たちで直接債権者への支払いを行います。しっかりと成長を見届けてくれるあたりに、とても安心感ありました。
弁護士費用についての説明を聞く
弁護士費用については、こちら
- 着手金:1社あたり30,000円+税
- 報奨金:債務減少額の10%を超えない額
- 実費・手数料:1社あたり5,000円+税
報奨金は基本的にとってないということだったので、1社あたり35,000円+税。
任意整理を行うのは、アイフル、プロミス、レイク、オリコの4社。
オリコは元夫とわたし、2人の任意整理を行いますが、「夫婦割引」なんてものがあるそうで、1人分の値段で対応してもらえました。
まとめると、35,000円×4社+税=154,000円が弁護士費用です。
実際の弁護士費用の支払い予定表はこちら。
予定表では4月まで支払い予定になっていますが、実際は7月、8月、9月、10月に30,000円支払い、11月に34,000円を支払って弁護士費用は完済。その後、12月から自分で債権者への支払いをはじめました。

そして毎月の積立額は、1社1万円が目安で、4社なので4万円は積み立てをできるように家計の見直しをしてほしいと伝えられました。

いきなり4万円は大変だ思うので、まずは3万円からスタートして、4万円になるようにがんばりましょうか。
本来なら、弁護士費用まで確認後、他の弁護士事務所にも何ヵ所か行ってみるべきです。対応や金額は弁護士事務所や担当弁護士によって様々だからです。
もし相談をしている際に、不安や違和感を感じたら、「家に持ち帰って家族と話し合います」と言って一旦帰りましょう。

わたしは、最初から最後まで親身に相談に乗ってもらえたので、ここで任意整理をしよう!と決めました。
最後に委任状に署名・捺印をする
任意整理の内容や弁護士費用や弁護士の対応など、全てに納得が出来た場合、正式に任意整理の依頼をします。
依頼の際は、委任状に署名・捺印をします。
任意整理の依頼後は、弁護士が債権者と和解をするのを待つのみです。我が家の場合は、7月に依頼をして和解をしたのが12月でした。約5ヵ月。
元夫が弁護士からの連絡を無視したりしていたため、かなり時間がかかった方かと思います。
委任状に署名・捺印をしたあとは、その日の内に債権者からの督促などはすべてなくなります。これが任意整理の大きなメリットです。
今まで、督促に怯えて精神的につらかったと思います。督促が止まると精神的にかなり安定してくるので、少しずつ家計の整理や、収入アップなどを考え始めましょう。

大丈夫!明るい未来への第一歩です!
たんたんとやるべきことをこなしてきましょう!
【後日談】任意整理の結果
債権者との和解が成立すると、弁護士から連絡があり、弁護士事務所へ訪問します。(依頼した時以来2度目の訪問)
そして和解内容などの説明を受けて、返済関係の書類をもらいます。
こちらは債権者一覧表。(※画像をタップすると画像が見やすいです)

- 本人申告約定残高:任意整理依頼時に自分が申告した金額
- 債権調査時元金残高:任意整理依頼後の本当の残高
- 和解金額:和解時点の借金残高
債権者名 | 本人申告 約定残高 | 債権調査時 元金残高 | 和解金額 |
オリコ | 660,000 | 681,180 | 681,180 |
アイフル | 750,000 | 491,935 | 545,187 |
SMBC | 80,000 | 81,917 | 93,307 |
新生F | 590,000 | 587,530 | 626,152 |
合計 | 2,08,000 | 1,842,562 | 1,945,826 |
だいたい自分が申告した通りの金額ですが、アイフルは申告した額よりも25万円も少なかったです。
債権調査時の残高よりも和解金額が高くなっているのは、任意整理依頼から和解までの約5か月間の延滞金が上乗せされているためです。オリコは延滞金がかからなかたです!
そして、返済計画表ももらいました。(※画像をタップすると画像が見やすいです)

このように返済金額や返済開始のタイミングなど、各社さまざまです。
オリコ、アイフル、SMBC、新生フィナンシャルの4社の中では、アイフルが一番厳しかったです。そのため7月と12月のボーナス月に増額返済のプランになっています。
そして、この4社の中では、オリコが1番優しかったです。任意整理依頼から和解までの延滞料がかからなかったこともありますし、元金に対して毎月の返済金額が少ないです。
任意整理は5年で完済するのが一般的ですが、オリコは8年返済という計画になりました。

こちらの画像のように完済が令和11年1月31日。(※画像をタップすると画像が見やすいです)

オリコはわたしも連帯保証人として債務整理をしたものです。任意整理開始した当時は、返済額が少ないのは助かるなと思っていたのですが、離婚した今となっては、早く完済して安心させてくれ~~という気持ちです。
【まとめ】任意整理の流れ
わたしの体験談を交えつつ、任意整理の流れや費用、結果についてご紹介しました。
弁護士事務所を探す際の注意点はこちら
チェックポイント
弁護士事務所に相談の連絡をするというのが、1番ハードルが高く、一歩を踏み出せない人が多いと思います。
しかし、そこを勢いで申し込んでしまえば、あとは流れに身を任せるのみ!借金問題は放置すればするほど借金が膨らんで苦しくなってしまうので注意してください。
そして、任意整理の流れはこちら
任意整理の流れ
・相談票に記入する
・借金の理由を聞かれる
・現在の家計状況を聞かれる
・希望の債務整理について聞かれる
・どの借金を債務整理するか決める
・家計の立て直しと返済計画を立てる
・弁護士費用についての説明を聞く
・委任状に署名、捺印をする
任意整理は初回の相談のみ勇気をだして行ってみるだけで、依頼後は特に何もすることはありません。督促なども完全に止まるので、少し心の休憩をしましょう。
少し休んでパワーが出てきたら、少しずつ家計改善や収入アップについて考えていきましょね。
わたし自身は元夫の借金が発覚して3ヵ月後に任意整理の相談に行きました。これは早いほうだと思います。
なぜそんなに早く行動をすることが出来たかと言えば、インターネット上で任意整理や借金の督促の体験談などを読んだからです。放置すると大変なことになるのはすぐに分かりました。
そんなことがあったからこそ、わたしの体験談も誰かの役に立つかもしれないと思いこの記事に込めました。

どうか借金問題に苦しむあなたが少しでも心が軽くなるように願っています。
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